病院では教えてくれない、身近な皮膚トラブル(あせも、オムツかぶれ)と塗り薬の話

寒暖差が激しいですが、皆様体調を崩されていませんか?

暑いなぁ、今日は汗かくほどじゃないけど、半袖にするかぁと思って子供を見るとすでにおでこには汗が…!という経験はありませんか。

放置するとすぐ汗疹になって可哀想なことに

今日は皮膚トラブルと塗り薬の話をしようかと思います

構造や役割を理解すればどうすればいいか理解しやすいので順を追ってお話ししますが、お急ぎの方は目次から希望の項目のちょい読みでも良いのでどうぞ。

目次

皮膚の構造

まずはカステラ想像してください。それをひっくり返して紙が上になるような向きにして説明していきます。

表皮はカステラで言う紙です。薄いです。

表皮が削られると擦過傷、つまりは擦り傷です。痒くてポリポリしてもここが削られてしまいますね。

薄皮がめくれて血がじわっとする感じです。圧迫すれば血は止まります。止まったかな?どうかな?とガーゼで圧迫したり外したりを繰り返しているとマッサージしているのと同じなのでなかなか止まりません。見たいのを我慢して圧迫しましょう。

進撃の巨人でいうウォールマリアです。これがなくなると外から巨人(バイキン)が入り込んでしまいます。

真皮はカステラ言うとザラメの部分ですね。

刺し傷切り傷で真皮まで切れちゃうと縫うか医療用テープを使った方がいいので病院に行きましょう。しっかり断面が見えちゃう感じです。

真皮には汗腺や動脈、静脈などの様々な菅が通っています。

汗腺が汗と汚れで詰まると分泌しようとしても外に排出できなくなり、トラブル=炎症がおこります。

このカステラの紙が横からの圧力でギュッとしわが寄ってザラメから剥がれてずれてしまうのがズレによる褥瘡ですね

皮下組織はカステラのふわふわの黄色のところです。

脂肪です。分厚くて4ミリから9ミリほどあります。

皮膚の役割

表皮の役割

外からの刺激を遮断して中から水分を出さないようにする役割です

巨人から守り、一般市民を閉じ込めているウォールマリアです。(まだ進撃の巨人ネタを引っ張ってみる)

真皮の役割

暑い寒い痒い痛いといったセンサー(神経)があり、それに熱ければ汗を出したり寒ければ立毛筋を立たせて所謂鳥肌を作ります。鳥さんだったら空気の層ができて暖かくなりますね(我々はほぼツルツルなので恩恵は受けれません)

皮下組織の役割

外部からの衝撃を和らげたり、断熱・蓄熱をしてくれます。

おむつかぶれ

上で説明したように表皮が刺激から体を守っていますが、ずっと汚れが付着したままだと、刺激が強すぎてガードが打ち砕かれてしまいます。

特にアンモニアや消化酵素が含まれたダラダラのうんちは刺激が強いんですね。離乳食が始まって、食べ残しがお顔やおててにつきっぱなしでも同様でガードが壊れてしまいます。

壊れたままにしておくと、今度はお肌の水分が抜けていってしまう。お肌の水分が抜けちゃうと、さらなる皮膚トラブルが起こりやすくなったり、皮膚再生が遅くなる、といったループに陥ります。

初期は綺麗にした後にバリア系の塗り薬(ワセリン)を塗って表皮のガードの上からバリアを貼っておくと安心です。

軽くピンク色になっちゃったら洗い流して、水分を与える系の保湿剤も使用してバリア系のワセリンで蓋をして様子を見るのもありです。勿論病院に行ってもok。ただインフルや風邪など感染症が流行っていたらお家で様子を見るのをおすすめします。受診時に風邪をもらってくる可能性があります。

おしり拭きにはどうしても添加物が入っていて刺激になるので、「おや」と思ったら拭くのではなく洗います。オムツを開いて、百均のドレッシング入れに人肌程度のお湯を入れてかけてあげれば手軽に洗えます。

おむつの吸水力はすごいので安心してそこで洗ってください。

お湯は肌の元々の油分も奪ってしまうので、水分を保つ系とバリア系のお薬をお忘れなく。

赤くなっちゃったら、遠慮せずに病院に行きましょう。おそらく亜鉛華軟膏を処方されます。

コッテコテのテクスチャの白い軟膏です。

塗ると拭き取れないぐらいコッテコテですが、オリーブ油を塗れば取れるので、忘れずに医師に「オリーブ油もお願いします」と言いましょう。

言わなきゃくれない医師が多いです。

仕事も含め今までに会った医師で請求せずに出してくれた方は1人だけでした。
往診医が「オリーブ油って処方できるの?」ととぼけて看護師・薬剤師が「できます、あります」と突っ込んだことも。
そりゃ、処置するのは先生じゃないものね。どんなけふき取りにくくて困るか知らないんだ。

請求しづらい場合は「そのお薬ってお尻拭く時とかお風呂の時って簡単に落ちますか?」と質問してみてください。

離乳食が始まっていないダラダラの水様便の場合は水分がすぐに下層部に吸収されてメッシュ状の上層部に残りずらい2層構造以上のおむつがおすすめです。我が家はこちらを使用していました。

病院では化学療法で下痢になってしまう方にも、このような上層部がメッシュタイプのおむつを勧めていました。

あせも

あせもは真皮にある汗腺から汗が分泌する際に出口が汚れでつまってしまい、どんどん分泌する汗が行き場を失い炎症を起こした状態です。

おでこの生え際や首の下、関節など汗や汚れの溜まり易いところにできやすくなっています。

高齢者の場合だと垂れてしまったバストの下とお腹の皮膚の間にもできやすくなっています。

清潔にするのが一番なのはおむつかぶれと一緒ですが、バリア系のお薬は薄く塗るか塗らない方が良いです

何故なら汗腺の出口を塞いでしまいやすいから。

昔みたいにベビーパウダーを塗布するのも汗の出入り口が塞がるので現在は推奨されていません。

ただ、石鹸でがっつり洗った後にベタベタするからと何も塗らないのはNGです。石鹸は汚れだけではなく必要な脂も取ってしまうので、皮膚が乾燥しやすくなります。しっかり水分を保つ系のお薬を利用しましょう。

よくお読みになっている方はバリア系のお薬、水分を与える系の薬って何?と思う方もいるでしょう。

次の項目で解説していきます。

塗り薬の分類

先ほどからバリア系、水分を与える系と言っていますが両方とも保湿剤に分類されます。

詳しく見ていきましょう。

バリア系

専門用語で言うとエモリエントと言います。用語は覚えなくてもいいです。

ワセリン、プロペト、オリーブ油、椿油、スクワランなど。

皮膚の表面に膜を張って皮膚保護してくれたり、皮膚内からの水分の蒸発を防ぐものです。

高齢者になると、ただ過ごしているだけでも水分がなくなってカサカサになって弾力性が乏しくなると、少しの摩擦ですぐ怪我をしてしまいます。なので塗るだけで手軽にバリアを張れるので重宝します。

また、油なので水分をよく弾きます。

お子様の場合だと、おしっこを弾いていくれるので多少ピンク色になってしまっていたら、おむつ交換後に薄く塗ってあげるとおしっこの刺激から保護してあげることができます。

人間にはもともと回復する力がありますので、軽度であればこれだけで治ります。

因みにプロペトとワセリン、よく病院で処方されますが違いは精製の具合によります。
石油から最初に得られる黄色ワセリンを精製したのが白色ワセリン、さらに精製したのがプロペトです。
化粧水に使われているのはスクワラン。天然の保湿剤でサラサラしてきます。

ワセリンやらプロペトはテクスチャは硬いですが、手の温度でトロトロに溶けます。

夏場に青いキャップの軟膏入れを横にしてはいけません。ドッロドロに漏れます。片付けが大変でしょんぼりします(´・_・`)お気をつけあそばせ。

水分を与える系

専門用語で言うとモイスチャライザー。

RPGのヒーラーが使いそうな分類名ですね。

尿素、ヘパリン類似性物質(ヒルドイド、ビーソフテン)、セラミド、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸がこれきあたります。

ハンドクリームによく入っていますね。

直接角層に水分を与えることで保湿を図るものです

病院だとヘパリン類似性物質として出されることが多いかと思います。

私は皮膚が弱いので尿素はヒリヒリして苦手ですが母は合うようで愛用しています。角層を軟化してくれます。

サラミドは角質層に元々存在していますが、減ってしまうので、塗ることによってそこに補充できるものです

ヒアルロン酸が存在しているのは真皮なのですが、分子が大きくて普通に塗ってもそこにも、角質層にすら染み渡りません。しっかり努力しているメーカーは分子の大きさを小さくして染み渡るようになってるみたいですね。

コラーゲンも同様に角質層には浸透しません。

ヒアルロン酸もコラーゲンも浸透しなくても表面で水分を保持することはできるのでそれで満足であれば使ってもいいかと思います。

看護学生の時、皮膚科の授業でコラーゲンは塗っても意味ないし、食べてもピンポイントに皮膚に効くわけなくて血管に脂がたまるからやめた方がいいとドクターが笑っていましたね

さてさて、保湿剤について何故詳しいかと言うと、高齢者施設での軟膏塗布の労働時間が地味に長くて(ほぼ全員カサカサで全身塗布の指示)でまず、処方薬に頼る前に風呂上がりの保湿を見直そうと私の発案で看護研究してたんですね。

お風呂上がりにセラミド配合のお湯で上がり湯をしてもらったんです。これがあたりで、乾燥による痒みを訴える方の皮膚状態が改善しました。

ご興味あればこちらから。薄めて使うので単価が安く、コスパが良かったですよ。

意外と説明されない塗る量塗るベストタイミング

軟膏が病院から処方されたけども、塗る量って説明されませんよね。

実はしっかり指標があるんです。

軟膏やチューブのクリームの場合だと大人の第一関節まで出して大人の両手手のひら大の分量となります

瓶のクリームの場合だと第一関節の半分までもったりとすくって両手の手のひら大の分量です。

とろとろのローションの場合だと一円玉サイズで両手の手のひら大です。

因みにお薬は刷り込まないでください。

ご高齢の方は「よく塗りこんで!」と皮膚刺激を与えまくってますが…

湿疹部分はボコボコの丘状になっているので刷り込んじゃうと肝心の湿疹の部分は薬が剥ぎ取られちゃうんですよ。

優しく塗るぐらいにしてくださいな

タイミングとしては、入浴後5分以内が皮膚が水分を吸水しやすくなっているので早めに塗ってくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

保湿剤と一括りでも求める効果が違います。

おかしいな、と思ったら病院に行くことが大事です。しかしママパパは忙しいので熱発の時のように会社を休んですぐに病院、というのは難しいかと思います。

そんな時私の知識が少しでも役に立てば幸いです。

では、また次の記事でお会いしましょう!

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